Emacs入門 #4 基本的なキー操作

in Emacs

キー入力の表記

今回からやっとEmacs自体の操作の話になります。 基本的にEmacsは全ての操作がキーボードで行えます。 キーボードでどのようにキー入力するかを、以下のような表記を用いて表すのがEmacsの流儀となっています。

C-g

これはコントロールキー(controlキー・ctrlキー)を押しながら文字gキーを押すことを表します。 ちなみにこのキー入力操作は、任意の操作の途中で操作を中断する(abort)場合に使います。

C-x C-c

これはコントロールキーを押しながら文字xキーを押し、コントロールキーを押しながら文字cキーを押す、という動作を表しています。 この場合コントロールキーは押し直さなくても大丈夫です。 ちなみにこのキー入力操作をするとEmacsが終了します。

Note
文字端末しか無い頃はGUI版のメニューのような見てわかる表示はありませんでしたので、このキー入力を知らないとEmacsを立ち上げたが最後、終了させられないなんてことが起こりました^^。

さらにキー入力の表記

コントロールキー以外にも以下のようなキーがあります。

M-!

これはメタキー(altキー・optionキー)を押しながら文字!キーを押すことを表します。 ちなみにこのキー入力操作をするとEmacsから外部コマンドを実行するプロンプトが表示されます。 なお「メタキーを押しながら」という操作は「エスケープキーを押してから」という操作で置き換えることも可能です。 つまり上記と

ESC !

は同等の操作となります。

まれにコントロールキーとメタキーを両方押しながらという操作をすることもあります。

C-M-s

ちなみにこのキー入力操作をすると、文字列を正規表現という表現形式で検索するためのプロンプトが表示されます。

カーソルの移動

今度は現在の文字入力位置を示すカーソルを(矢印キーを使わずに)移動させてみましょう。

C-f  (forward-char・1文字進む)
C-b  (backward-char・1文字戻る)
C-n  (next-line・1行進む)
C-p  (previous-line・1行戻る)

見てわかるように各文字キーにその機能の頭文字を当てて覚えやすいようになっています。 これはEmacsのキー割り当ての特徴です。

Note
Macをお使いの方はこのカーソル操作がOS Xの標準の操作になっていることに気がつくかもしれません。 OS Xのキー操作をEmacsが採用した、わけではなく、Emacsのキー操作が回り回ってOS Xにも取り入れられたのです。

主なキー入力操作

上記を含めたEmacsにおける主なキー入力操作を一覧するには GNU Emacs Reference Card が便利でしょう。 いわゆるチートシートというもので、簡単な英語でそれぞれの機能が示されています。 またインターネットを検索すると日本語に訳された版も(対象のEmacsのバージョンは若干古いものの)見つけることができると思います。

まとめ

あれれ今回もEmacsで設定を行う方法自体に入ることができませんでしたね。 キー操作がわかったところで次回こそは設定に、ではでは〜。

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Emacs入門 #3 等幅フォント再び

in Emacs

前回Mac OS XのEmacsで日本語文字の幅を英数文字の幅のちょうど倍にする方法を書きました。 そこでは日本語文字のフォントを調整して合わせましたが、別のアプローチとして両方とも都合の良いフォントに取り替えてしまう方法も考えられます。 しかもこの方法であればMacでもWindowsでもさらにはLinuxでも統一した表示にすることができるでしょう。

幸いMigMixフォントとしてIPAフォントライセンスで使えるTrueTypeフォントセットがありますので、こちらを使ってみましょう。 MigMixフォントのうち等幅フォントである〝MigMix 1M〞をダウンロードして展開します。

ipag00303
migmix-1m-bold.ttf
migmix-1m-regular.ttf
migmix-README.txt

書体がregularとboldがあるようですので、それぞれクリックします。

Macではこのようなウィンドウが表示されることと思います。

Screen Shot 2014-12-31 at 20.59.42

Windowsではこのようなウィンドウが表示されることと思います。

Screen Shot 2014-12-31 at 21.02.18

それぞれインストールボタンを押してインストールします。

インストールしたMigMix 1MをEmacsのデフォルトのフォントにするには以下のように設定します。

(add-to-list 'default-frame-alist '(font . "MigMix 1M"))

正しく設定されればそれぞれ以下のような表示になることでしょう。

Screen Shot 2014-12-31 at 22.18.00 Screen Shot 2014-12-31 at 22.25.08

Windowsでの文字表示も改善することができました。

〔追加〕なおもしデフォルトのフォントのサイズまで指定したい場合は上記の代わりに以下のように設定した方が優先順位の問題などが無いようです。(Emacs 24)

(set-face-attribute 'default nil :family "MigMix 1M" :height 105)

また今回もEmacsで設定を行う方法自体に入ることができませんでしたね。 それはまた次回以降に、ではでは〜。

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Emacs入門 #2 WindowsとMac OS X

in Emacs

前回はGNU EmacsのMac OS X上でのインストール方法について書きました。 Emacsの設定の話に入る前にWindows上でのインストール方法についても書いておきましょう。

これもまたいろいろな方法があると思いますが、最近だとgnu packというパッケージを使うのが簡単だと思います。 現在の最新はemacs-24.2-20121208.exeとなっています。 早速ダウンロードして実行してみましょう。

\Users\kawauso\Downloads\emacs-24.2-20121208.exe

展開されたフォルダにあるEmacs起動プログラムを実行してみます。

\Users\kawauso\Downloads\emacs-24.2-20121208\bin\runemacs.exe
Screen Shot 2014-11-20 at 16.11.49

OKですね。

さらにLinux上でのインストール方法について書いてもよかったのですけれど、各ディストリビューション標準の方法を用いればLinuxユーザーにとっては特に難しい話はないと思いますので割愛します。

Emacsは日本語および日本語入力との長い戦いの歴史を持っていますが(^^;)ここまで紹介した方法でインストールしたものであれば特に意識する必要はないかなと思います。 ただしMacPorts版のデフォルトの設定では日本語が以下のように表示されることと思います。

Screen Shot 2014-11-21 at 08.10.07

これでも特に問題は無いのですが、日本語(いわゆる全角文字)が英数(いわゆる半角文字)の倍の幅にそろえられている方が都合がよい場合も多いでしょう。(ちなみにWindowsのgnu pack版の方はデフォルトでそろえられています。)

その設定を行うためにはEmacsのフォント設定についての少し難しい知識が必要になりますが、最も簡単に行うには以下の設定を行うことだと思っています。

  (set-fontset-font t 'japanese-jisx0213-1 (font-spec :family "Hiragino Kaku Gothic ProN"))
  (set-fontset-font t 'japanese-jisx0213-2 (font-spec :family "Hiragino Kaku Gothic ProN"))
  (set-fontset-font t 'katakana-jisx0201 (font-spec :family "Hiragino Kaku Gothic ProN"))
  (add-to-list 'face-font-rescale-alist '("Hiragino " . 1.2))

1行目と2行目でEmacsが用いるデフォルトの全角日本語フォントを、3行目で半角片仮名フォントを全てHiragino Kaku Gothic ProNに置き換えています。 4行目はその全角フォントの幅が英数フォントに対してちょうど2倍に当たるように調整しています。

この設定をして表示がどうなるか見てみましょう。

Screen Shot 2014-11-21 at 08.26.21

無事幅がそろいましたね。

でもちょっと待ってください、どうやって設定を反映させたのでしょうか? 次回はやっとEmacsの設定の話になります(^^)。

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Emacs入門 #1 インストール

in Emacs

少し踏み込んでコンピューターを使うようになってくると、標準のテキストエディターとは別にお気に入りのテキストエディターというのができてくると思います。 私の場合はGNU Emacsで、振り返ってみると人生の3/5ぐらいの間このテキストエディターを使い続けています。

それほどお世話になっているエディターですが改めて紹介したことがなかったので、このブログでも気が向いたときにEmacsについて書いていこうかなと思います。

Mac OS Xにインストールする方法はいくつかありますが、私はMacPortsを利用するのがここ数年の常です。 その場合はこのようにしてインストールします。

sudo port install emacs-app
起動してみましょう。
open /Applications/MacPorts/Emacs.app
Screen Shot 2014-11-23 at 10.14.19

無事インストールすることができたようですね。

実はMac OS Xには標準でコマンドライン版のEmacsがインストールされています。

/usr/bin/emacs
Screen Shot 2014-11-16 at 02.28.44

でもどうせならグラフィカルユーザインタフェース版をインストールして使う方がいいでしょうね。

次回はできれば最低限の設定などについて書いてみたいと思います。 ではでは。

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